制度概要
特定技能制度は2019年4月に創設され、人材不足が深刻な産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を即戦力として受け入れる制度です。2024年3月29日の閣議決定により、全16分野に拡大されました。
受入れ可能分野・職種一覧
1. 介護分野
対象職種:介護士、看護助手
主な業務:入浴介助・食事介助などの身体介護と付随する支援業務
2025年からの変更:2025年4月21日から訪問系サービスへの従事も認可
現在の労働者数:37,956人(2024年10月末時点)
2. ビルクリーニング分野
対象職種:ホテルやオフィスビルなどのクリーニングスタッフ、清掃作業者
主な業務:建築物内部の清掃
特定技能2号:清掃作業監督者として従事可能
3. 工業製品製造業分野
2025年業務区分:10種類の業務区分
主要区分
・機械金属加工
・電気電子機器組立て
・金属表面処理
・紙器・段ボール箱製造
・コンクリート製品製造
・陶磁器製品製造
・紡織製品製造
・縫製
・RPF製造
・印刷・製本
新規業務区分:2025年2月以降に在留資格取得可能(紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、陶磁器製品製造、紡織製品製造、縫製、RPF製造、印刷・製本の7区分)
4. 建設分野
対象職種:建築大工、内装、左官など
業務区分:土木、建築、ライフライン・設備の3つに統合
業務区分変更:従来の19区分(18試験区分)を3つの特定技能業務区分に再編
5. 造船・舶用工業分野
主な業務:造船・舶用工業に関する溶接、塗装、機関組立て等
特定技能2号:対象(溶接区分以外の業務区分も含む)
6. 自動車整備分野
対象職種:自動車整備士
主な業務:自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備
特定技能2号:対象
7. 航空分野
主な業務:空港グランドハンドリング(地上走行支援、手荷物・貨物取扱い等)
特定技能2号:対象
8. 宿泊分野
対象職種:宿泊施設のフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等
主な業務:ホテルや旅館などの宿泊業界での各種サービス
特定技能2号:対象
9. 農業分野
業務区分:
・耕種農業全般
・畜産農業全般
主な業務:栽培管理、農産物の集出荷・選別等、飼養管理、畜産物の集出荷・選別等
特定技能2号:対象
10. 漁業分野
業務区分:
漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)
養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)
特定技能2号:対象
11. 飲食料品製造業分野
業務区分:飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)の1業務区分
2024年変更点:スーパーマーケット、総合スーパーマーケットの食料品部門での惣菜製造も可能
特定技能2号:対象
12. 外食業分野
対象職種:飲食店のホール・キッチンスタッフ、販売員
主な業務:外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
特定技能2号:店舗の経営分析・経営管理、契約事務等の店舗経営業務も実施可能
【2024年追加】13. 自動車運送業分野
業務区分:バス運転者、タクシー運転者、トラック運転者の3つ
主な業務:バス、タクシー、トラックの運転と運転に付随する業務
試験状況:2024年12月から評価試験開始、2025年3月頃にCBT方式も開始予定
受入見込数:2024年から5年間で24,500人
特定技能2号:対象外(1号のみ)
【2024年追加】14. 鉄道分野
主な業務:軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員
日本語要件:運輸係員業務は日本語能力試験(JLPT)N3以上が必要
試験予定:車両整備区分の試験は2025年3月実施予定
受入見込数:2024年から5年間で3,800人
特定技能2号:対象外(1号のみ)
【2024年追加】15. 林業分野
主な業務:森林の育成・伐採、木材の搬出・運搬、安全衛生確保等
特定技能2号:対象外(1号のみ)
【2024年追加】16. 木材産業分野
主な業務:木材・木製品の製造(製材、集成材製造、木材チップ製造等)
特定技能2号:対象外(1号のみ)
特定技能1号・2号の対象分野
特定技能1号(16分野すべて)
相当程度の知識・経験を必要とする技能を要する業務
在留期間:通算5年まで
特定技能2号(11分野)
熟練した技能を要する業務
対象分野:介護を除く11分野(ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)
在留期間:無期限(更新継続可能)
家族帯同:配偶者・子の帯同可能
除外分野:介護(専門的・技術的分野の在留資格「介護」があるため)、新規追加4分野
取得要件
共通要件
・18歳以上
・技能試験の合格、日本語試験の合格、または技能実習2号修了
・健康状態、素行の確認
分野別の特別要件
鉄道(運輸係員):日本語能力試験(JLPT)N3以上
繊維工業:国際人権基準遵守、電子勤怠管理、月給制等の追加要件
最新の動向
2024年3月29日:自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野追加
2025年4月21日:介護分野で訪問系サービス解禁
2025年2月以降:工業製品製造業の新規業務区分で在留資格取得可能
2025年3月頃:自動車運送業でCBT方式試験開始予定
参考
本ガイドは、本ガイドは、出入国在留管理庁及び関係省庁の公式情報を参考に作成いたしました。
参考元:出入国在留管理庁 – 特定技能制度について
最新情報:出入国在留管理庁ホームページ(https://www.moj.go.jp/isa/)
※本情報は2025年9月時点のものです。最新の分野・職種については、上記公式サイトをご確認ください。